塩野義からのコロナ治療薬を考える 2022年3月8日

塩野義製薬は昨日は日経暴落の中で資源・海運を除いて、上昇しているのが目立つ。

上げた要因はコロナ治療薬が承認されるであろうという材料だと思われる。

ということで塩野義からのコロナ治療薬に関して、発表資料から考えてみる。

 

論文は現在投稿中とのことで、説明会資料をメインに考えてみた。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬 S-217622 の国内における製造販売承認申請について

https://www.shionogi.com/content/dam/shionogi/jp/news/pdf/2022/02/J_220225.pdf

 

現在実施中の第2/3相臨床試験

対象:軽症/中等症のSARS-CoV-2感染者428例(日本:419例、韓国:9例)か

方法:無作為化割付けプラセボ対照二重盲検比較試験 です

介入:治療薬(低用量、高用量の2用量)を1日1回、5日間経口投与した際の抗ウイルス効果および臨床症状の改善効果を確認することを主目的に実施されました。

結果要約
・抗ウイルス効果
本治療薬投与により、両用量群ともにプラセボ群と比較して有意に優れた抗ウイルス効果を示した
4日目(3回投与後)において有意にウイルス力価を減少(主要評価項目達成) 

・症状改善効果
COVID-19の12症状合計スコアの初回投与開始から120時間(6日目)は、プラセボ群と比較して改善方向に推移したものの、統計学的に有意な差は認められなかった(主要評価項目を達成せず)
本試験で集積した集団で特徴的な症状であった呼吸器症状[鼻水 または鼻づまり,喉の痛み,咳,息切れ (呼吸困難)]の合計スコアにおいては、両用量群ともに有意な改善効果を確認した

・安全性
新たに懸念される有害事象等は認められなかった

 

すでに先行で販売されているファイザー社のパキロビットと同じ3CLプロテアーゼ阻害薬阻害薬になり、すでにパキロビットは効果が認められていて、おそらく効果も同様に認められると思われる。

まずはパキロビット同様に入院している、または宿泊療養している軽症患者から投与が開始されると思われるが、承認後の棲み分けがどうなるか気になるところ。発表資料では、パキロビットと比較して、強みは国産であることしか感じられないが、患者は国産を希望しそうであるものの、医療者はそこまで気にしていないように思う。

また現時点ではコロナ新規感染者が全世界、日本でみても減少傾向で小康状態にある。さらにワクチン接種者が広がっていること、ステルスオミクロンの話もあるが、それでも感染状況の悪化がないことから、この後、新規の変異種がでないとなると、思ったほどの伸びはないかも。

 

株価は8000円あたりで上値が重い。承認後、一旦抜けることができれば、しばらく8000円台の維持ができそう。できなければ、また跳ね返されそう。